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メディア向けセミナー「認知症とともに生きることを知り、伝える」で、パネルディスカッションをする藤田和子さん(右)ら=東京・丸の内

メディア空間考 松浦祐子

 「無限の可能性を後押ししないことで(認知症の)本人の力がそがれていっている」

 9日に東京都内で開かれたメディア向けセミナー「認知症とともに生きることを知り、伝える」(厚生労働省主催)で、日本認知症本人ワーキンググループ代表理事の藤田和子さんが語った言葉を聞き、改めてメディアの役割について考えさせられた。

 藤田さんの指摘は、メディアは、認知症になってできなくなったことを強調したり、「認知症の人には無理」と決めつけたりして、報じることが多いということだった。その結果、「認知症になったら何もできなくなる」という古い認知症観が、社会にも認知症の人にも増幅されて伝わっているというのだ。

 自戒を込めてだが、記者は社…

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